我々は日光を浴びて皮膚で、あるいは食品からビタミンDの前駆体を取り入れます。これが肝臓で代謝されて中間型の25(OH)VitDになります。さらに代謝されて最終活性型の1.25(OH)2VitDになります。
実はこの25(OH)VitDと1.25(OH)2VitDのバランスが多くの病気の進展や健康維持に大きな役割を果たしています。簡単に言えば前駆体のVitDと中間型の25(OH)VitDは“善玉”VitDで、血液のCaを高め骨にCaを入れて骨を丈夫にしてくれます。
また多くのがんの発症予防作用があります。乳癌では25(OH)VitDが低い人(10nmol/L位)に比べ高い人(50nmol/L位)では80%乳癌の発症が抑えられると報告されています。一方最終活性型の1.25(OH)2VitDは、細胞内にCaを入れてしまうという働きがあり、細胞内のCa濃度が必要以上に高まることが、色々な病気の根源になっていることがわかってきました。
細胞内Ca濃度が高まることががん・アレルギー・自閉症・精神疾患・白内障・認知症など様々な病気に関係します。また血管などにCaを沈着させて動脈硬化をひどくしたり、骨に骨棘を作って神経痛を起こしたりします。指導を受けているドイツのシリング先生からは、中間型の25(OH)VitDをなるべく高く(30-80nmol/L)、最終活性型の1.25(OH)2VitDをなるべく低く(<60pmol/L)保つよう指導されています。(わかりやすくするため単位は変えてあります)
検査方法:採血(5ml程度)この2種類のVitD分画検査(採血)は15,000円で約2週間を要します