高濃度ビタミンC点滴により、血液中のビタミンC濃度400mg/dl以上を達成することで、過酸化水素をがん細胞内で増加させてがん細胞増殖を阻害する効果が期待されます。
またより低濃度でも抗ウイルス作用、メラニン減少、コラーゲン増加、副腎保護などの作用が期待できます。低用量15g程度から漸増し、目標濃度を適宜測定しながら容量を決定します。
(通常女性45~60g 男性60~90g)
1)高濃度VitaminC点滴の最大の禁忌がG6PDという赤血球酵素の欠損症です。高濃度VitaminC点滴で溶血を起こします。
日本人には極めて稀ですが、海外では10%くらいにみられる場合もあり、特に親、祖父母に日本人以外の血統があると発症率があがります。30g以上の点滴では事前にG6PD欠損症の採血検査が必要です。
2)腎不全、心不全の方は塩分負荷になるため困難です。
費用
容量により変わります。
30g<12,000円> 45g<15,000円> 60g<18,000円> 75g<20,000円> 90g<22,000円>
ドイツシリング医師の指導により、酸素吸入、重炭酸使用による強化高濃度VitC点滴も可能です(3,000円追加)。
所要時間:容量により45分から2時間。週2回。点滴の合間の日には内服でのVitCをお勧めします。
高濃度ビタミンC点滴療法にともなう起こりうる副反応
1.塩分負荷
高濃度大量のVitCは塩分の負荷になるため、腎不全、心不全の方は困難です。塩分負荷にならないジクロロ酢酸は可能です。
またがん手術で広範囲のリンパ節郭清を受けられた方は、その部分がむくむ場合があります。ひどくなる場合には継続困難です。
2.点滴部位の疼痛
浸透圧が高いため点滴する静脈が痛む場合があります。加温、マグネシウムの混注で予防します。
3.運動、打撲部位の内出血と強い痛み、腫れ
過激なスポーツ(特に手を強く握る:野球、ゴルフ、テニスなど)、打撲、打ち身、強いマッサージ、雑巾絞りの前または後に高濃度ビタミンC点滴を行うと、該当部位に内出血と強い痛み、腫れが出現することがあります。
原因行動を控え、点滴中に出現した場合はいったん中止し、2~3日あけてから再開できます。微小血管の損傷で、ビタミンCが漏れて、神経を刺激している可能性が言われています。
4.低血糖症状
ビタミンCがブドウ糖と構造が似ているため、インスリンが分泌されて血糖が下がるようです。低血糖が起こると、頭痛、発汗、動悸、嘔気、意識もうろうなどの症状が起こりえます。
→最新の強化VitC点滴(進行がん)ではむしろ絶食状態のほうが効果は出るとされています。この場合さらに低血糖は出やすくなるので、その際は糖分を補給します。