腸管、特に小腸の粘膜下のパイエル板やGALT(Gut associated lymphoid tissue:腸管関連リンパ系組織)は生体の免疫の70%以上を担っており、アレルギー疾患の治療を考える場合、腸の評価と調整はとても大切です。免疫学的な腸の評価には種々の抗体検査が有効です。
腸内細菌や真菌の評価も大切
重金属で発症
また重金属、特に水銀の体内蓄積があると、Th1・Th2リンパ球のバランス異常を生じて、アレルギーを発症しやすくなることも分かっています。種々の化学物質も同様です。これらには、特別な水銀検査や化学物質検査が必要です。
副腎疲労で誘発
自分自身のステロイドホルモン(コルチゾル)不足は、ストレスに対する抵抗性を減弱しアレルギーを誘発します。副腎疲労という病態です。
また病巣感染(Focal Infection)のチェックも大切です。
病巣感染とは、身体のどこかに慢性の感染病巣(原病巣)があって、これが原因になって直接関係のない遠隔臓器に何らかの障害を起こす病態の事です。原病巣自体の感染症状はあまり強くない場合も多いので、わからないことも多々あります。
有名なのは扁桃炎が原病巣となって起こる腎臓炎(糸球体腎炎)です。実は原病巣となるのはこの3か所しかありません。
- 歯性感染(歯根、歯周)
- 扁桃〜上咽頭、副鼻腔
- 腸管
当院では1適切な歯科医院の紹介3今まで述べてきたような検査と治療を行っています。
また2の治療に関しては、慢性の上咽頭炎に対して、苦痛の多い塩化亜鉛溶液塗布に変わって、安全で痛みや出血のない、特殊な梅エキスを用いた家庭でできる治療法も導入しています。
化学物質過敏症、電磁波過敏症の多くも、実際には上述した複数の要因が絡んで化学物質や電磁波に過敏になってしまったケースが多いようです。