- 発達障害はこの40年間で約70倍に増加。最も増加の著しい疾患です。
- 1つの原因によるものではなく、発症には多くの因子が関係しています。
- したがって何か1つだけの治療が功を奏することは(少)なく、治療は多方面から多角的に順序良く進めるべきです。
- そのためには多角的な多方面の検査が必須です。
- 治療検査とも日々進歩しており、適宜検討しながら新しい物を導入しています。
- 発達障害は英語の”neurodevelopmental disorder”の翻訳で、「神経発生発達障害」 が本来の意味です。発生は胎生までの遺伝的要因(遺伝子の変異)です。発達は胎生後の環境、栄養因子です。発生発達双方に問題があって起こります。したがって発達障害の治療は、発生段階の遺伝的要因の検査、発達段階の環境、栄養因子の検査を行いそれぞれの問題を明らかにすることから始まります。また発語障害には舌癒着症などの耳鼻科的な疾患の鑑別や治療も必要です。
- 現在発達障害は、精神疾患と定義され、診断にはアメリカ精神医学会が作成した「精神疾患の分類と診断の手引(DSM-V)」が使用されています。年齢とともに抗精神薬が使用される頻度が増加します。現在の西洋医学的な治療は多動や暴力行使を抑えたり、集中力を引き出すための精神薬による対症療法です。やむを得ない場合もありますが、そこには発生発達の問題を明らかにして根本的治療をするという考えは少ないです。
発達障害の分類
自閉症の3症候
- 対人的相互関係(社会性)の障害
- 言語発達(コミュニケーション)の障害
- 反復常同的、執着的行動
自閉症の診断基準
A:複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥があり、現時点または病歴によって、以下により明らかになる(以下の例は一例であり、網羅したものではない)。
- 相互の対人的、情緒的関係の欠落で、例えば、対人的に異常な近づき方や通常の会話のやりとりのできないことといったものから、興味、情動、または感情を共有することの少なさ、社会的相互反応を開始したり応じたりすることができないことに及ぶ。
- 対人的相互反応で非言語コミュニケーション行動を用いることの欠陥、例えば、まとまりの悪い言語的、非言語的コミュニケーションから、視線を合わせることと身振りの異常、または身振りの理解やその使用の欠陥、顔の表情や非言語的コミュニケーションの完全な欠陥に及ぶ。
- 人間関係を発展させ、維持し、それを理解することの欠陥で、例えば、様々な社会的状況に合った行動に調整することの困難さから、想像上の遊びを他人と一緒にしたり友人を作ることの困難さ、または仲間に対する興味の欠如に及ぶ。
B:行動、興味、または活動の限定された反復的な様式で、現在または病歴によって、以下の少なくとも2つにより明らかになる(以下の例は一例であり、網羅したものではない)
- 常同的または反復的な身体の運動、物の使用、または会話(例:おもちゃを一列に並べたり物を叩いたりするなどの単調な常同運動、反響言語、独特な言い回し)。
- 同一性への固執、習慣へのかたくななこだわり、または言語的、非言語的な儀式的行動様式(例:小さな変化に対する極度の苦痛、移行することの困難さ、柔軟性に欠ける思考様式、儀式のようなあいさつの習慣、毎日同じ道順をたどったり、同じ食物を食べたりすることへの要求)
- 強度または対象において異常なほど、きわめて限定され執着する興味(例:一般的ではない対象への強い愛着または没頭、過度に限定、固執した興味)
- 感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ、または環境の感覚的側面に対する並外れた興味(例:痛みや体温に無関心のように見える、特定の音、感覚に逆の反応をする、対象を過度に嗅いだり触れたりする、光または動きを見ることに熱中する)
C:症状は発達早期に存在していなければならない(しかし社会的要求が能力の限界を超えるまで症状は明らかにならないかもしれないし、その後の生活で学んだ対応の仕方によって隠されている場合もある)。
D:その症状は、社会的、職業的、または他の重要な領域における現在の機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている。
E:これらの障害は、知的能力障害(知的発達症)または全般的発達遅延ではうまく説明できない。知的能力障害と自閉スペクトラム症はしばしば同時に起こり、自閉スペクトラム症と知的能力障害の併存の診断を下すためには、社会的コミュニケーションが全般的な発達の水準から期待されるものより下回っていなければならない。
(『日本精神神経学会監修 『DSM-5精神疾患の診・統計マニュアル』2014年医学書院より)
発達障害で認められる症状
~重要なのは、診断名ではなく症状~
発達障害の分類は全て症状からのものです。大切なことは病名を特定することではありません。脳の代謝障害に見られる共通の症状があれば、代謝障害を正すことを考えてみる価値があります。
共通してみられる症状
- コミュニケーションの難しさ、目線が合わない
- 特有の攻撃性
- イライラ感
- 不安感、不眠
- 多動、常同運動、Stims(自己身体刺激)
- つま先歩き
- 不注意、集中できない、他の物事に気がとられる
- 眼、鼻、耳機能の低下
- 便秘、下痢など腸の問題
- 疲れやすい、姿勢保持困難(エネルギー不足)
- 各種アレルギー(じんましん、喘息、アトピーなど)
症状の現れ方は人によって異なります。この特徴がみられるようになるのは、生後約2ヶ月から2歳前後が最も多いといわれています。
発達の遅れが顕著にみられる場合は12ヶ月よりも早く、軽度であれば2歳を過ぎてから特徴が現れるといわれています。
幼児期(0歳~小学校就学前)
生後すぐに自閉症スペクトラム障害の診断は出来ません。しかし、幼児期全体を通してみると、以下のような特徴的な行動をとっていたことが多いと言われています。
周囲にあまり興味を持たない傾向がある
視線が合わない子が多い。また他の子どもに興味をもたなかったり、名前を呼んでも反応しないことが多い。指さしをして興味を伝えることをしない。
コミュニケーションを取るのが困難
言葉の遅れや、オウム返しなど。会話では、一方的に言いたいことだけを言ってしまったり、質問に対してうまく答えられないなど。ごっこ遊びが出来ない。集団での遊びに興味を示さない。
強いこだわりを持つ
興味を持つことに対して、同じ質問を何度もする。また、日常生活においてあらゆるこだわりを持っていることが多く、ものごとの手順が変わると混乱してしまうことが多い。
児童期(小学校就学~卒業)
集団になじむのが難しい
年齢相応の友人関係がない。周囲にあまり配慮せずに、自分が好きなことを好きなようにしてしまう子が多い。人と関わるときは何かしてほしいことがある時だけで、基本的に1人遊びを好む。人の気持ちや意図を汲み取ることを苦手とする。
臨機応変に対応するのが苦手
きちんと決められたルールを好む子が多い(儀式的)。言われたことを場面に応じて対応させることが苦手。
どのように・なぜといった説明が苦手
言葉をうまく扱えず、単語を覚えても意味を理解することが難しい場合がある。また、自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり、想像するのも苦手。そのため説明がうまくできない。
思春期~成人期(小学校卒業~)
不自然な喋り方をする
抑揚がない、不自然な話し方が目立つ場合がある。
人の気持ちや感情を読み取るのが苦手
コミュニケーション能力が乏しく、人が何を考えているのかなどを考えるのも苦手な傾向。
雑談が苦手
目的の無い会話をするのを難しく感じる人が多い。
興味のあるものにはとことん没頭する
物事に強いこだわりを持ち、興味のあることにとことん没頭することが多い。その分野で大きな成果をあげられることもある。
検査と治療の全体の流れ
私たちは発達障害を、発生、発達段階における何らかの原因による脳の代謝障害と考えています。その結果、神経や神経伝達物質の働きに支障が出て症状が出ます。したがってその原因を除去し代謝障害を補正してやれば、少なくとも改善方向に向かいうると考えています。
発達障害を起こす機序は
発達障害は遺伝病ではありません。「発症しやすさを決める遺伝子背景」があり、「引き金を引く環境因子」により「代謝異常」が誘発され、「神経シナプス形成、維持の異常」によって発症します。
純粋な遺伝要因が原因の病気はごくわずかで、単一の遺伝子の変異が必ず発病に結びつく「遺伝病」はレット症候群、脆弱性X染色体症候群等、ダウン症などです。
エピジェネティクスとはDNA遺伝子の発現を後天的に修飾、コントロールするもののことで、例えばメチル化の機構などが相当するが、化学物質、重金属は遺伝子に変異を引き起こし、メチル化を障害し、影響を及ぼす。
- 本能行動を担う神経回路群は、ほぼ遺伝子の設計図通りにできあがる
- 言語能力等後天的な獲得行動を担う神経回路群は環境要因等により、個々で異なる機能を持つ神経回路群へ分化する---障害を受けやすい
自閉症の中心は
上記は例です。必要なものを選んで使用しますが、多方面からの治療は必要です。
検査
検査費用
発達障害関連遺伝子検査(遺伝子多型検査)
Prenatal予防を
1人目のお子さんが発達障害で、問題となる遺伝子変異がある場合、次子の妊娠前から予防策を試みています。
重金属・化学物質の検査
重金属や毒素はどこから体内に入ってくるのか?
重金属類の体内への侵入経路には、
- マグロやカツオなどの大きい魚
- 歯の充填物(アマルガム)
- 予防接種
- 化粧品
- 古い鉛管を使った水道水
- 土壌から重金属を吸収した野菜
- 胎盤を通じ母体から胎児へ
身体へ悪影響を及ぼす毒素:ダイオキシン・DDT・殺虫剤など毒素類の体内への侵入経路に 、
- 焼却排煙
- たばこの煙
- 残留農薬
- 大気汚染
- 自動車の排気ガス
- シンナーなどの化学薬品
- ラップやプラスチックを加熱して発生するもの
Toxin毒素となるも
- 重金属:特に水銀
- プラスチック毒素:特にフタル酸(環境ホルモン=xenoestrogen)
- TriMercuryTest、血液ミネラルテスト
- 毛髪ミネラル検査
- 尿中金属排泄検査
- 赤血球内重金属ミネラル検査
- GPL-TOX(多種化学物質尿検査、ミトコンドリア病検査)
- 尿ポルフィリン検査
(すべて重金属、化学物質検査のページ内です。)
代謝検査
抗体検査
自閉症、ADHD精神疾患の消化障害の特徴
- 消化酵素の効果が低い
- 腸が透過性を持つ(リーキーガット)
- インスリンの機能低下
- グルタチオンの不足
- カルニチンの不足
- 炎症性サイトカインの増加
食事、腸内環境の簡単なチェックとして、当クリニックではLBA(毛細血管血球観察)、毛細血管観察(Bscan-Z)を適宜行っています。
Edelfo機能性脳波検査と神経回復プログラム
波動測定検査メタトロン、SAKURA
ブルークリニック青山 内藤真礼生 他
目的
自閉症患者における全身エントロピー解析の特徴を明らかにし診断、治療に役立てる
方法
被験者81名 自閉症、広汎性発達障害患者。対照は20名の健常児。エントロピー測定非線形モデル解析装置メタトロンサクラ(ロシアIPP研究所製)による全身諸臓器のエントロピー解析を行い、臓器のエントロピーの状態を1-6の6段階評価し(多いほどエントロピー増大で機能低下と判定)検討した。
結果
発達障害児群は平均年齢12.5歳で、腸のエントロピーに4以上(4-6)を認めるものが89%で(5以上は54%)、対照健常児群は平均年齢16.0歳で腸のエントロピー4以上は24%(5以上6%)と、発達障害児で有意に腸のエントロピー低下が確認された。
発達障害児群では鼻腔にも4以上が76%と高率に低下が見られた。脳に異常が認められたケースは2例のみであった。
考案
自閉症児では便通異常やリーキーガットなど腸の問題を高率に合併する。エントロピー解析は機能を見る検査であり、通常10歳台までは大きな異常は認めない。
今回 調査で発達障害児のエントロピーの異常は脳ではなく腸と鼻腔に高率に認められた。腸壁には脳神経と同じ腸管神経細胞があり、発生学的に最古の神経系である。
また嗅神経は最も古い脳神経であり、扁桃体など記憶・情動にも関連する。腸神経、嗅神経とも、発生学上最古の神経系であることを考えるとその障害が自閉症と関係している可能性があると推察された。
(上記内容は2018年10月統合医療学会で発表予定です)
治療
発達障害のメカニズムには、重金属や化学物質などの環境要因が大きなウェイトを占めているため、初期の治療のターゲットはそれらの解毒治療となる。
その上で、それらによって直接ないし間接的に引き起こされた神経シナプス形成、維持異常を、回復させることが後半の治療の中心となる。
- 解毒に関しては、現在ほぼ手法が確立されつつある。
- 神経回復については日々進歩しており、新しい検査、治療法を日々検討しながら進めている。
栄養療法・食事療法
特に消化酵素補充して作用を助けることは有用です。
これまで当クリニックで検査しえた発達障害児のほとんどに、グルテンカゼイン分解酵素(DPPIV)および傷ついた腸粘膜の修復酵素(TGM:トランスグルタミナーゼ)の遺伝子の強い変異が認められています。また酵母菌(カビ類)増殖も多く認められています。
- グルテン、カゼインの分解を助けるには「グルテン、カゼイン分解総合酵素 GC-PEPTIDASETM」
- 傷ついた腸粘膜の修復を助けるには「GUT-SOLUTIONTM 腸粘膜修復改善酵素」
- 酵母、イーストなど真菌の増殖には「NEEMX-AGTMニーム・アガリクス酵素」
経口特殊治療(特に解毒)
神経回復プログラム
整体・調整療法
その他 漢方療法
ナノリポソームによるデトックス療法
バイオバイオサポートサプリメントの概念が根底から変わりました
水銀やフタル酸をどうするか